おはようございます、ジョンです。本日はカトウタカヒロ先生の「ギュゲスのふたり」を紹介です。
本作は漫画アプリ“サンデーうぇぶり”で連載中、待望の第1巻は2022年12月15日発売です。
1.「ギュゲスのふたり」のあらすじ。
サイキック・サイコ・サスペンス開幕!
「ジンメン」作者のカトウタカヒロが紡ぐ新境地!
担当の編集者を憎む漫画家・藤堂健。
自分の才能に自信がないアシスタント・日向優。
二人は取材の一環で神隠し伝説の残る雪見八幡宮を訪れる。
うまくいかない日々を送る彼らは、拝殿でそれぞれ願いごとをするが…
それは、二人が修羅の道へと突き進む始まりでもあった…
消せる力と消える力。
これは透明化の超能力を得た二人の破滅までを追った物語。
2.「ギュゲスのふたり」のおすすめポイント。
「ギュゲスのふたり」は一言で言うと、哲学的な漫画です。
主人公の漫画家・藤堂健とそのアシスタント・日向優はお互いにうまくいかない日々を送っていました。
ある日神隠しの伝説が残る雪見八幡宮という神社で二人は願い事をします。
願いは叶い、藤堂健は自由に物や人を透明状態にする能力を得て、日向優は自由に透明人間になれる能力を得ました。
本作のタイトル「ギュゲス」は、“ギュゲスの指輪”という伝説上の指輪からきていると思われます。
ギュゲスの指輪は自在に姿を隠すことの出来る指輪です。
リュディア人のギュゲスがその指輪を手に入れ、その力で王になったという伝説があります。
またプラトンの著作「国家」において、ギュゲスの指輪について一つの議論がなされています。
それは指輪の所有者は自由に透明になれるため不正が発覚することはないが、その状態で人は“正義”を貫けるのかというものです。
「ギュゲスのふたり」のテーマはまさにこの議論の通りになります。
藤堂健はヒーローものの漫画家であり、健を慕う日向優もヒーローに憧れています。
共に“正義”を貫きたいふたりは、どう堕ちていくのか。
ふたりの破滅の物語が気になる人はぜひ「ギュゲスのふたり」を読んでみてください!
3.「ギュゲスのふたり」はどういう人におすすめ?
「ギュゲスのふたり」はサスペンス系の漫画や哲学じみたことを考えるのが好きな人におすすめの漫画です。
透明になれるという能力は無敵といえる能力です。
デスノート級のチート能力です。
それでも扱うのが人間である限り、そこに綻びは生まれます。
「ギュゲスのふたり」の魅力の一つとして、敵側の優秀さが挙げられます。
この場合の敵というのは透明の能力を得た藤堂健にとって都合の悪い人間ということです。
小さな綻びに気付き、“透明人間”という単語にたどり着く人間が増えていくたびに藤堂健は“不正”を犯します。
綻びは一度大きくなれば、もう歯止めは効きません。
藤堂健は自らの“正義”を貫くため、“不正”を繰り返し堕ちてきます。
一方で透明人間という能力を“正義”のために使う日向優は、ヒーローとして活動します。
しかし優が透明人間のヒーローとして活動するたびに、透明人間の噂は世間に流れていくことになります。
優のように透明人間を“正義”のために使おうと考える人間は多くありません。
“正義”のために活動するヒーローは、本当に世の中をよくしているのでしょうか?
人はなぜ不正を犯すのか。
正義という曖昧なものの正体とは。
「ギュゲスのふたり」というサスペンスは、読む人々にそれらを考えさせる漫画となるでしょう。
今回は以上です。
ありがとうございました。
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